今年も夏休みの時期がやって来た。ここ数年はビーチでゆっくりする旅だったので、今年はアクティブにアメリカの国立公園巡りをすることにした。
アメリカの国立公園への旅はこれまで大学生の時に1度、社会人になってからも1度、行ったことがあった。思い出しても楽しかった思い出しかない。久しぶりに訪れてみたくなった。
まずは計画から
計画立てて動いていく旅は久しぶり。アメリカのモーテルに泊まるなら、よほどのイベントが無い限り部屋が無いということはないだろうから、その日暮らしで動いても良かったけど、一人旅ではないし値段も安くなるので、全て事前に予約することにした。
まずは全日程を6泊8日に設定して、ラスベガスを起点にいわゆるグランドサークルを周ることにした。グランドサークルとはWikipediaによれば:
グランドサークル(The Grand Circle)は、アメリカのユタ州とアリゾナ州の州境にあるパウエル湖という巨大な人造湖を中心に、半径230km の円を描いた時、その円(サークル)の中に含まれるエリアの呼称。10の国立公園、16の国定公園、19の国立モニュメントや州立公園が、その円(サークル)の中に含まれる。
と言っても、アメリカの国立公園は一か所でもずっと滞在して遊べるほど大きいので、今回の日程ではいくつかを選んで駆け足で周ることになる。半径230kmということは円周約1,500km。
プランはこんな感じ。サンフランシスコ経由でラスベガスに入り、そこからレンタカーで4つの場所を巡る計画。
【旅程プラン】
日程 | 場所 |
---|---|
DAY 1 | 成田発 16:55
サンフランシスコ着 10:25 サンフランシスコ発 12:40 ラスベガス着 14:20 レンタカーで移動 キングマン着 キングマン泊 |
DAY 2 | セドナへ移動
セドナ フラッグスタッフ泊 |
DAY 3 | グランドキャニオン
フラッグスタッフ泊 |
DAY 4 | ページに移動
アンテロープキャニオン ホースシューベント ハリケーンに移動 ハリケーン泊 |
DAY 5 | ザイオン国立公園
移動 ラスベガス着 |
DAY 6 | ラスベガス
ラスベガス泊 |
DAY 7 | レンタカーで空港へ
ラスベガス発 07:16 サンフランシスコ着 09:05 サンフランシスコ発 11:30 |
DAY 8 | 成田着14:35 |
まずは航空券をおさえて、あとは宿とレンタカーを予約していく。宿はほとんどモーテルで、今回はBooking.comで予約した。国立公園内にも宿はあるけれど、それなりのお値段がするので、ちょっと離れたところに車で走る計画にした。ただしモーテルと言えども、観光地に近いほどかなりの強気価格になっているので、要比較検討。
長い飛行時間に備えてこれも買っといた。毎回旅行の度に買おう買おうと思ってたやつ。
いざ旅路へ
長い飛行時間を経てラスベガスに到着したらレンタカーセンターで予約した車をピックアップ。レンタカー会社はアラモ。初めて知ったけど、アメリカであれば国際免許を取得しなくてもレンタカー会社が免許証の翻訳証みたいなものを発行してくれるので、免許センターに行く手間が省けるのは楽だった。発行手数料も安い。予約は結局日本のHISが総合的にお得だった。
走り出したらいきなりの雨。途中は前も見えないほどのかなりの豪雨。あまり想定していなかったので、ちょっとテンション下がる。なんとか最初の宿泊地キングマンに辿り着く。初日の目的地をフラッグスタッフまで伸ばしていたらかなり疲れる展開だっただけに結果的に助かった。
今回の旅の足となる車はコンパクトクラスのフォードのフィエスタ。ナビはスマホのGoogleマップで十分かとも思ったけど、ナビも付けといた。これが大正解。このガーミンのナビが結構優秀で、この後かなり助けられることになった。かなりオススメです。
セドナ
翌朝は早起きしてセドナへ。セドナに近づくと雨はカラッと上がり、晴れてきた。古くはネイティブアメリカンの聖地であり、近年はパワースポットとして有名な場所。かなり観光地化している中心部をサッサと抜け、いわゆるボルテックスを巡りつつトレッキングを楽しむことにした。
どこもトレッキングルートが綺麗に整備されていてとても歩きやすい。壮大さは無いが、箱庭的な美しさはある。
これがいわゆる大地から出るボルテックスのエネルギーによって木が捻じれているというもの。古の時代に何かしらの力を感じたというのも分かるような雰囲気はある。
各ボルテックスは離れているので、車で移動しつつ、ポイント毎にトレッキング。わりと上の方まで登っていけるところもあるので、かなり楽しい。
結局4大ボルテックスと言われているところのうち、3つを周った。どれも多くのトレッキングコースがあるので、一か所でも楽しめる。
セドナからいったんフラッグスタッフの町へ戻る。今回の旅は体力勝負なので、Texas Roadhouseというステーキハウスで精気を養う。気軽な雰囲気で楽しめてしかも美味しかった。
しかし、アメリカでの食事はいつもオーダーする量に迷う。基本的に量は多いけど、どこでもいつでも多いってわけでもない。まわりのテーブルを見て、なんとなく判断するしかない。
グランドキャニオン
翌朝はグランドキャニオンへ。まずはリム上のトレイルを歩く。何枚も写真を撮ってみたけど、写真では伝わりきらない壮大さ、雄大さ。
リムを歩いた後は、下へ降りていくことにした。ここからブライトエンジェルトレイル(Bright Angel Trail)が始まって、谷底へと降りていく。
このトレイルはこんなミュール(ラバ)のツアーもあって一見楽ちんそうだけど、トレイルは狭く、目線が高くなるので、結構怖いのではないかと思う。
普通の登山と順番が違って、下りが先にあって、後から登りになる。体力の配分を間違えると後でツライことになるので、常に戻りのことを考えて、良きところで引き返すべし。素潜りと同じで、帰りの時間も考えておかないとダメなやつ。途中かなり息が上がって苦しそうな太めの方に何人もすれ違ったことを付け加えておこう。
つづら折りのトレイルはかなり急ピッチで降りていくので、気付くとあっと言う間に降りてくる。グランドキャニオンはこのトレッキングが一番楽しかった。リムトレイルは整備がされていて綺麗だけど、降りてくるとまた違った景色がある。日本のブログ記事だと一日では無理ということであまりオススメされていないけど、途中で引き返すことを前提にすれば楽しめるはず。それでももちろん水などの準備は忘れずに。
夕方はまたフラッグスタッフの街まで戻る。ここでモーテルのランドリーを使ってお洗濯。今回はこれを見越して荷物は半分にしてきた。気分的にもリセットできた。
ちなみにアメリカのモーテルはなかなか普通のホテルのようにアメニティ全部揃っていることは期待できない。シャンプー、歯ブラシ含め基本全部持っていくことをオススメ。コーヒーメーカーや湯沸かし器も無い場合があるので、コーヒー好きとしては難儀した。日本に帰ってからAmazonでソッコーで携帯出来る湯沸かし器を注文した。もっと早く買うべきだったなー。
アンテロープキャニオン
翌朝はフラッグスタッフからページの町まで大移動。ロウワーアンテロープキャニオンのツアーをお昼に予約してあったので、ドライブ時間は3時間ちょっとと見積もって出発した。
途中の景色を楽しみながら到着すると11時前には着いたので、受付に行くと11時開始のツアーに変更可能だったのでラッキー。10人ぐらいのグループですぐに出発。が、他のツアー客と重なり、キャニオンの入り口ではかなり待たされる。この辺りはとにかく暑い。
ちなみにアッパー・アンテロープの方は太陽の位置の関係でお昼ぐらいが良いようだけど、ロウワーは何時でも良いと思う。ロウワー・アンテロープのツアーは隣同士に2軒あって、どのみち行くところは同じなので、どっちでも良いと思う。今回はKen’s Tourの方で予約していた。事前の支払いも無く、簡単に予約できる。普通のGeneral Tourで十分かと思う。グループにガイドが一人付く。ここはネイティブアメリカンの土地なので、ツアー以外では入ることは出来ない。
ようやく中へ降りていくと期待を裏切らない美しい世界が待っていた。
特に加工もせず、こんな写真がiPhoneで普通に撮れる。インスタ映えの宝庫。
鉄砲水が削り出した自然の賜物。ナショナルジオグラフィックで見たあの世界が目の前に広がっている。
これは確かWindows7の壁紙になってるところ。
どこを撮ってもだいたいインスタに投稿できます。
待ち時間を除くと中だけで45分ぐらいのツアー。結構長く感じた。写真も飽きるほど撮れる。ガイドは説明をする人と言うよりも、時間調整をする人と言った方が正しいかもしれない。説明もあの岩が何に見えるだのとその程度。まあ、それで十分。特に説明の必要も無し。最後はこんな割れ目からひょっこり出てくる。
ホースシューベント
お次はホースシューベント。ロウワーアンテロープから車で10分程度の距離。駐車場を出て登ってすぐ見えるかと思ったら、その先に道が続いていた。。。とにかく暑い。トレッキングで歩くのは楽しいのに、こういう歩きは億劫となる不思議。
正直、足がすくんでこれ以上前には出れなかった。よく見る写真はかなり乗り出して撮っていることが分かる。全ては自己責任で。
ここから翌日ザイオン国立公園に行くためにハリケーンの街まで大移動。移動時間が長くてもドライブ中も景色が素晴らしいので全然苦にならない。
ザイオン国立公園
翌朝、いざザイオン国立公園へ。
国立公園の情報ボード。Your safety is your responsibility. この言葉に尽きる。全ては自己責任。それぞれが自分のレベルと装備に応じて楽しんでいるのがアメリカの国立公園の素晴らしいところ。
公園内を走る無料のシャトルバス。停留所が各トレッキングコースの始点終点になっているのでとても便利。トレイルのハシゴも簡単。
トレイルが長短様々、数多くあってそれぞれのレベルに合わせて楽しめるようになっている。
ザイオンはこれまでの乾いた赤土の景色とは違って、水の潤いがあって、気持ち良い。
グランドキャニオンの逆バージョン的な感じ。岩がとにかく大きい。
トレイルを3本ほど歩いてみた。
シャトルバスで終点まで行くとリバーサイドウォークの入り口。このトレイルを歩いて行くとザ・ナローズという渓谷が狭くなるポイントがある。ここから川の中に入って奥まで行ける。ウォーターシューズが無いと厳しいけど、ここで冷たい水に浸かるだけでも疲れた体をリフレッシュできて気持ち良い。
この旅の中ではザイオン国立公園が一番歩きがいがあって、楽しかった。
1周まわって再びラスベガスへ
名残惜しいがザイオン国立公園を後にしてラスベガスへ戻る。
ここまでの雄大な自然環境から一転、俗世界の極みとも言える街中に放り込まれ、かなりの戸惑いを覚える。。。
一日ラスベガスでゆっくりして、翌日、朝3時に起きて空港へ。レンタカーのマイレージはちょうど1,000マイル、1,600kmだった。
久しぶりに訪れたアメリカの国立公園は変わらずそこにあった。運転しまくり、歩きまくり、楽しい楽しい夏の終わりの旅だった。今度は一か所でキャンプしながらトレイルを歩いてみたい。